大きな地震にバツイチヒロインが見舞われるところから物語ははじまる。揺れが収まってから家の中の物を片づけていると古い手紙が。書いた相手との再会から逢瀬に至るストーリー。ただ、プレイに入るまでが長い。いや、他の短編と比べて助走部分と本番との比率がとりわけ偏っているとは思わないけど、背景説明が延々と続いて完全に間延び。ヤマ場まで待たされ待たされ、焦らされ焦らされしているうちに読み疲れてしまった。ほんのわずかしか出てこない隣家の住人を実名で登場させる必要はなかろうに。焦らすのは大人のテクニックと、著者は様々な作品の中で男の口を借りて語る。が、読者をここまで焦らすことはないって。星は2.5以上3未満。四捨五入の結果3つに。なお、本作はコスミック文庫から刊行された同名の短編集に収録されており、重複買いに注意である。