過日投稿で指摘した誤植については解消を確認した。さてようやく内容に対してのレビューに入る。本書のヒロインは26歳で独身。父親が病で倒れ、その兄が主人公の母親への下心から親切ごかしに近づき、その上で障害となるヒロインも懇意の知人に売るという筋書き。健気なヒロインは一家の大黒柱の稼ぎが途絶えたことから伯父の知人宅に住み込みで働きに出る。あとはご想像の通り。詳細はネタバレ回避で触れないこととする。ヒロインの容姿は清楚で生娘のようであると伯父の印象をもって語られる。その後、実はヴァージンでないことが呆気ないほどあっさり書かれる。でもまあ雰囲気は純潔でいいとして、知人の餌食になって交わる描写が、あれよあれよという間で進められ、いわゆる「タメ」がない。団鬼六の作品とまでは言わないが、せっかく処女性を残すヒロインを我が物とするんだから、もう少し読者を焦らせられなかったか。また、知人の母親につく介護士の女、これもせっかくいい雰囲気を出していたのにほとんど見せ場なし。男との絡みは皆無。伯父が義妹であるヒロイン母を征服する描写も質・量ともに乏しく、何とも消化不良の出来。ちょっと勿体なかったな。