このレビューはネタバレを含みます▼
大森先生のダンまちシリーズはこれで今のところ全部読んだ。大森先生は書き方がうまいから読めるし、そこそこ面白い。けど、これは結果論の物語だし、喜劇を挟んでいるため、最善、最高効率を突き詰めた結果でもないから、モヤモヤしたものが残る。
最善のうえで間に合わないなら仕方ない、それは悲劇だけど。おふざけで時間をつぶして、それでもギリギリ間に合うのは英雄譚ではなくただの幸運である。喜劇をやるなら、ギリギリで間に合うのではなく余裕をもって間に合わないと必然の英雄譚として成立しないことを理解した。ギリギリ過ぎるピンチに対して悠長なことが喜劇ゆえにかかなり入ってる。つうか妹がこれで間に合わなかったら主人公は完全にただのマヌケの悲劇の原因でしかないじゃないか?作品の都合的によい結果に間に合わせただけになってる。
正直、大森先生らしからぬ、読んで爽快や前向きな気分になる物語に仕上がっていないと僕は思います。
読み物としては読めますよ、破たんしてるとこもないし、良くできた作品は作品です。ただ、大森先生の作品に期待してるもの、ダンまちのシリーズとして捉えると微妙というところです。