大正時代の大阪が舞台。幼馴染が夫婦になり倹しい暮らしの中幸せを育んでいたが、関東大震災をきっかけに妻が亡くなる。妻の霊を下ろしてもらう為に巫女に口寄せしてもらうが…。横溝正史ミステリホラー大賞受賞。
大正時代の慣習の描写やキャラクターのセリフが精緻で新人とは思えない筆力。お嬢さんをいとさんと呼ぶとか、亡くなった妻に執着してる夫とか湿っぽい雰囲気が春琴抄ぽいと思いながら呼んでました。SMではありませんが。参考文献に谷崎潤一郎があったので作者も意識されてるようです。
主人公のバディもよかったです。ホラーはほんのり、最後は丸く収まるきれいな終わり方でした。次の作品も読んでみたくなります。