ネタバレ・感想あり希望のゆくえ(新潮文庫)のレビュー

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自分はどう生きるか
ネタバレ
2026年4月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 失踪した弟を追う兄の視点から、人ひとりの「本当の姿」がどれほど曖昧で多面的なものかを静かに浮かび上がらせる物語

関係者の語る断片的な記憶はどれも真実らしく、それでいて決定的ではなく、読む側もまた人物像の輪郭を探し続けることに‥
とりわけ印象的なのは、他者の期待に応え続けることで自分を見失っていく弟の在り方で、その痛みは決して他人事ではない
すれ違い続けた兄弟がようやく互いを理解しはじめる過程には、抑えた筆致ながら確かな熱が宿る

終盤にかけて差し込まれる小さな救いが読後にやわらかな余韻を残し、「自分はどう生きるか」をそっと問い返してくる一冊
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作家名: 寺地はるな
出版社: 新潮社
雑誌: 新潮文庫