読了後、馴染みのない時代を調べてみて実在の史実に基づいた戦女神の話に胸が熱くなりました。アケメネス朝ペルシア建国頃の古代オリエント時代の歴史小説です。狭い世界で俯いていた少女が多くの国の興亡がある激動の時代に理不尽さと容赦なく巻き込まれていく中で自分の考えを持ち自立していく成長していく半生。多くの登場人物、諸国、複雑な人種差別や政治情勢に何冊も読み終えたような錯覚してしまう内容でした。主人公が幾多の波乱と緊迫を経験し立場と部族の為に諦めて歳を重ねて過ごしていく姿に重厚で壮大な話の為観念して受け入れてたが、後半になって思わぬ真相と真実の思いに流れが変わっていき葛藤していた主人公が報われる場面に熱くなりました。壮年ながらも「姫君」と語りかけ、覇王として時代を制した王の大人の純愛が切ないです。行き詰まる展開でしたが3人の男性の愛に包まれ最後は溜息がでる作品でした。