このレビューはネタバレを含みます▼
冒頭は理解するまでが難しく、ちょっととっつきにくいかもと思いました。それでも読み進めるうちに世界観と主人公達の苦悩がもう逃げられないほど襲ってきて、ラスト3分の1は涙が止まりませんでした。この生き方しかなかったのか。夢に生きるしかなかった延年のことを思うとつらい。そこに主上、武帝がいても、自分自身に起きていることとは切り離されていたんだなぁと。そしてずっと遠くを見ている愛しい人に、有象無象と同じ扱いをされているってつらすぎる。主上頑張ったけど心が通じるまで長かったね。本質を見ようとすればするほど見えなくなるお話は大好物です。どうしても最後はハッピーエンドを期待してしまうんだけど、今回はそれが出来なかった。あまりにも漂ってる空気が重すぎて、風さんの働きにすごく期待したかったけど無理でした。それでも読後は読んだことを後悔しない…いや、でもみんな傷つきすぎだよ、とちょっと後悔した。でも多分、レビューを書いたあとでまた冒頭に戻ってここのアレってアレだよなぁ、と読んでしまうんだ。苦手な人もいると思うけど、みんなにも読んで欲しい。