ネタバレ・感想あり月とアマリリスのレビュー

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痛みと向き合う
ネタバレ
2025年8月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ とても良いお話でした。たくさんのことが、心に残る一冊でした。
自分の痛みにだけ敏感、それって誰にでもあって,もちろん自分にもあるんだろうなと思いました。
しんどかった
ネタバレ
2025年10月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ しんどい話は大好物なのでものすごく良かった。
女の人に焦点が寄りがちだったけど、諸悪の根源と言ってもいいこの男の背景が私には1番寂しかったかな。辛い思いをしたからって誰かを傷つけていいわけじゃもちろんないけど、どこかで救われる出会いがあれば良かったのに。って悲しかった。
本人が伝えていたように、たった一人だけに膨大な愛を抱えていたんだと思う。歪んでるし、誰も幸せにできないし、それほどまでの強い想いもその想いすらも相手には認識して貰えてなかったけど。
どん詰まりで命も消えかけた状況でそれでも自ら救命を求めたのも、愛した人を逃してなるものか。っていう強い執着心だったのかな。とか、取り調べで猥談みたいな話を続けるのも、あいつは俺のものっていう他者に対する牽制なのかな。とか、想像すればする程に悲しくなってくる。

能力がとにかく高かった事も、この男にとっては不幸だったんだと思う。もしもただのイケメン。ってだけなら、早々に頭打ちくらってもっと早くに自滅できてたんでしょう。
自滅したあとに再生が訪れるのか廃退がやってくるのかは分からないけど、今みたいな悲しい結末にはならなかったのかなと思う。
諦めれないってのは、生きる糧にもなるけど奈落の苦しみにも似てるなぁと感じた。
人を殺めれるのは、諦めれない人間で
自死を求めるのは望みを失った人間なんだろう。
なんて、他者の死を望んでしまう気持ちも自分の終わりを乞う気持ちも、どちらも知らずに生きていけるってのはすごく幸せなんだと思う。

そういう意味で、主人公の記者の女の子はマジョリティな環境で生きてるんだよなぁ。なんて、主人公が抱えてる悩みが他の苦しみに比べると引っ掻き傷程度に思えて、その引っ掻き傷程度の悩みにピーピー言ってるのが幸せでいいなって思えた自分は嫌なやつだな。って思った
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