学生時代吹奏楽部でバリトンサックスを担当していまして、今も色々やっている為参考になればと購入しました
フルートも吹いていますのでまるごとフルートの本、も購入したのですが、あちらとは著者が違う為路線が大きく違います
フルートの方は、基礎的な事からかなり詳しく練習の仕方や音楽に対する考え方等の参考書的な側面が強かったのですが、本書は基礎的な事よりもマニアックな話も多く、練習法よりもマウスピースやリガチャー、中古楽器に関する事などサックスという楽器の世界の広さを重視した内容になっています(当たり前だけどフルートが狭い世界の楽器だと言う事ではありません、あくまで本の方向性の違い)
特に中古楽器に関しては参考になりましたね?僕もフルートの先生から「中古楽器は前の持ち主の癖がついているから辞めた方が良い」と教わりましたが、実はこんなカラクリがあったとはと驚きです
更には吹奏楽部における「このメーカーのこの硬さのリードじゃなきゃ駄目」という謎ルールにも言及されています
これ本当に困った話ですよね?僕も学生時代バスクラリネットの後輩の指導係もしたのですが、小柄で肺活量の無い子みたいなので薄いリードを勧めたのですが、先輩からこう言われているし、とか薄いリード使う、肺活量が無い事が=下手という意識を持たれ受け入れてくれずに困りました
当たり前ですが、きちんと使える物だから販売されている訳なのですし、人それぞれ体格や肺活量、息のスピード等の特性がバラバラなのは当たり前で、自分の特性にあった物をセレクトする為に様々な硬さのリードがあるのです
逆に僕は、バリトンサックスを吹いていても肺活量があり過ぎるみたいなので楽器店さんから4のリードを吹くよう提案され、4を使っていましたがこれだって別にだから優れた技術を持っているって訳じゃないのに……
本書をきっかけに、この吹奏楽部特有の悪しき風潮が絶たれる事を切に願います!リードの硬さは洋服や靴のサイズと同じです、自分に合わない物を使っていたら良いパフォーマンスが得られないのは自明の理です
最後にひとつ注意があります!本書はアルトとテナーに関してはかなり色々言及されているのですが、ソプラノとバリトンに関しては軽くさらうだけでほぼほぼ無視されています
僕はソプラノとバリトンのディープな話があるかなと期待して本書を購入したので、そこは少々期待外れでした