このレビューはネタバレを含みます▼
戦時下の東アジアを舞台に、国家の論理に翻弄されながらも懸命に生きる女性たちの運命を、濃密な筆致で描き切った歴史小説
緻密な時代考証が物語に確かな説得力を与え、異国の街並みや時代の空気までも鮮明に立ち上がる
諜報戦の緊迫感と、胸に秘めた想いが交錯する人間ドラマが幾重にも重なり、ページをめくる手が止まらない
過去と現在を行き交う構成も巧みで、点在していた出来事が終盤に向かって一つの像を結んでいく展開は見事👌
歴史の大きなうねりに埋もれそうになる個人の尊厳や愛を真摯に見つめた視線が印象深く、読後には切なさと余韻が心に残る‥
歴史小説、サスペンス、人間ドラマの魅力を融合させた、読み応えのある一冊