このレビューはネタバレを含みます▼
江戸の町を舞台に、本を背負って人と物語をつなぐ貸本屋おせん‥その姿は軽やかでありながら、時代の制約をものともしない芯の強さに満ちている
版木や言論統制といった当時の出版事情が丁寧に織り込まれ、単なる時代劇にとどまらない奥行きを生んでいるのも魅力
各話に仕掛けられた謎はほどよい緊張感を保ちつつ、江戸の人情や商いの息遣いを鮮やかに浮かび上がらせる‥
とりわけ、おせんの機転と知識が光る場面には、知的な爽快感があり?
気丈で現実的、それでいてどこか愛嬌のある主人公像が物語全体を引き締め、読後にはもう少しこの世界に浸っていたくなる
時代と本を愛する人にこそ手に取ってほしい一冊