このレビューはネタバレを含みます▼
ネタバレでございます。主人公が搾取子から脱却し、転生チートを活用して愛馬と共に自由の旅へ!!行くかと思いきやそんなことはなく。まず前世の搾取子状態がキツすぎてフラストレーションがたまる。しかもこれざまぁとか無いしね。そして今世も、公爵家を出た直後はチート能力存分に発揮して生き生きしてたのに、ヒーローと行動を共にするようになって以降はなんかすっごいおとなしくなっちゃって、ひっそりと陰からヒーロー様の気まぐれの御渡りをお待ちしておりますかの如く日陰の女に成り下がる。そして前世の母も今世の父も結局さんざん主人公の事搾取しまくってたのに最後まで悪びれず謝罪もせず開き直ってるのにそれを優しい心で受け入れる主人公!うざ!……なんかさ。主人公活躍しないんだよね後半。ヒーローが動くから物語は展開していくんだけどさ。なんだか後半はヒーローが主人公っぽくなっちゃってるんだよねこれ。だから主人公はヒーローにとって一番都合の良い動き方をするようになってる気がする。ヒーローと出会ってからの主人公は、ヒーローの為に森から出るしヒーローの命令通りの生活をしだすし健気にヒーローに尽くすしヒーローが迎えに行くまでひっそりと待ってるという、男主人公ものにありがちなご都合ヒロインに成り下がっていて自我が失われてるかの如き従順ぶり。前半の行動力どこ行った??かっこいいスパダリヒーローに全部お任せ乗っかりヒロインものっていうジャンルそのものは嫌いではないけど、主人公がチートで最強!これからは一人で生きていくぜ!自由だ!!っていう最初の印象が良かった読者としては後半の控え目ヒロインぶりにがっかり感が強く、せっかくのハッピーエンド作品なのに読後感はかなり悪かったです。いやそりゃヒーローとその側近はめちゃ幸せそうだけどなんかもやもやするんだよな。もっと愛馬と冒険して欲しかったし、あそこまで詳細に毒親搾取子表現しておいてふんわり良い話風にされてもなぁって感じでした。スパダリヒーローが可哀想なヒロインの為に頑張るお話が好きな方にはとてもおすすめだと思います。