このレビューはネタバレを含みます▼
歴史の中心人物ではなかった武将たちに光を当てた短編集
敗者や脇役として語られがちな人物たちに、確かな矜持と生の温度を与えている
とりわけ表題作の今川氏真は、俗説で消費されてきた暗愚像を覆し、文化を愛した男の芯の強さが胸に残る‥
戦や権力争いだけでなく、人が何を守ろうとしたのかを丁寧に掘り下げる筆致が印象的で、短編ごとに異なる余韻が広がっていくのも魅力?
知名度の高くない人物を扱いながら、人物像に血が通っているため歴史に詳しくなくても読みやすい
戦国小説の定番から一歩踏み込み、歴史の陰に埋もれた才能を味わえる一冊