このレビューはネタバレを含みます▼
可愛いものを愛する主人公・百花の軽やかな日常は、やがて“身につけるもの”にまつわる思い込みをやさしくほどいていく
下着のリメイクという題材を通して描かれるのは、装いの自由だけでなく、「どうありたいか」を自分に問い続ける姿勢そのもの
価値観の異なる人々とのすれ違いや小さな痛みも織り込みながら、物語は決して声高にならず、静かな余韻で読者に委ねてくる
とりわけ百花と加代子のしなやかな在り方は、自分らしさを守ることの強さと優しさを同時に感じさせます
作者らしい、周縁に生きる人々へのまなざしも健在で、読み終えたあとにふと肩の力が抜けるような一冊
価値観を押しつけず、ただそっと選択肢を差し出してくれる、その距離感が心地よい?