このレビューはネタバレを含みます▼
シリーズ第六作となる本作は、抑制された前半と爆発的な後半という、はっきり二層構造を持つ一作
物語は静かに、回想と現在を往復しながら進むが、その歩調の遅さに戸惑う人もいるだろう‥
だが後半、点在していた違和感が一気に収束し容赦のない真相が姿を現す瞬間、この構成が必然だったことを思い知らされる
技巧は確かに前面に出ているが、そこに流れる主題は人間的で、孤独や救済といった感情の掘り下げがシリーズ屈指の深度に達している
陰惨さは過去作随一ながら、ポーという人物の在り方が強く浮かび上がる点で記憶に残る一作
シリーズ読者向けではあるが、読み切ったあとには確かな余韻が残ります