ネタバレ・感想ありとどけチャイコフスキーのレビュー

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一曲の旋律が国境や対立を越え得るのか
ネタバレ
2026年6月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 音楽ミステリーとしての面白さはもちろん、本作は芸術と国家、個人と歴史の関係にまで視線を広げた意欲作

モスクワ音楽院という格式ある舞台に漂う緊張感が、事件の謎に独特の陰影を与えています
ロシアとウクライナをめぐる現実を背景にしながらも、政治論に終始せず、人が音楽へ託す願いや矜持を丁寧に描き出す筆致が印象深い‥
岬洋介の卓越した感性は真相解明だけでなく、音楽が持つ普遍的な価値を鮮やかに浮かび上がらせる
そして終幕に待つ光景は、美しさと痛切さが同居する忘れ難い余韻を残す

一曲の旋律が国境や対立を越え得るのか――その問いを胸に刻む、社会性と情感を備えた一冊
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