ネタバレ・感想ありアフター・ユーのレビュー

(5.0) 2件
(5)
2件
(4)
0件
(3)
0件
(2)
0件
(1)
0件
一穂先生だなぁ。って思える1冊
ネタバレ
2026年3月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一穂先生の文藝作品は苦手だなって思うものもあるんですが、これはうん。泣けちゃう。
読んでて半分あたりまではずっと、福知山線列車事故で婚約者を亡くした女性の話が過ぎっては重ねて…を繰り返してました。
その女性は事故の1ヶ月後に結婚式の予定だったそうで、でも家族としては認められなくて苦しみながらももがいてたって記事が、この本を読んですごく厚みを持って実感しました。

そういう事じゃない。のかもしれないけど、知らなければ苦しまずに済んだ事ってたくさんあるよな。と
この本の唯一の救いは、事故にあった二人の現状を主人公の母が知らない事だと思う。でも母に連絡する。と表明してるという事は、ゆくゆくは母が全てを知ってしまうという示唆でもあるのかなと。

考えれば考えるほど、色んなことが辛くて悲しい一冊です
会えなくなって知るあの人のこと自分のこと
ネタバレ
2025年11月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「相手がいてはじめて輪郭が出来る」
東京、長崎五島列島、大阪。
あっけない音信不通から始まるミステリー仕立ての中に社会と人の感情とさまざまな離別が交錯しています。細部にリアリティと説得力があって胸に迫ります。
ある日突然ピリオドがくること、喪失の衝撃の中にあっても身体の生命活動は続くこと、夢でもいいから会いたい気持ち、時は戻らないこと、後から知り出会い直すこと、伝えたかった思い、慟哭。
苦しいのに温かい余韻が残るところが一穂ミチさんの織りなす世界、真骨頂だと思いました。
レビューをシェアしよう!
作家名: 一穂ミチ
出版社: 文藝春秋
雑誌: 文春e-Books