このレビューはネタバレを含みます▼
フランス革命という激動の時代を背景に据えた本作は、単なる歴史ミステリーにとどまらず、「その時代だからこそ成立する謎」を巧みに編み上げた一冊
容疑者が三つ子という設定により、証拠に頼れない状況下での純粋な推理が際立つ
物語は一見オーソドックスな犯人当てから始まりながら、次第に様相を変え、真相が幾層にも折り重なる構造へと深化していくのが見事?
読み進めるほどに前提が揺らぎ、終盤ではタイトルの意味までも鮮やかに回収される‥
さらに、魅力的な伯爵をはじめとする人物造形が物語に豊かな陰影を与え、余韻にはほのかな切なさが残ります
知的興奮と物語性の両立が光る、語り合いたくなるタイプの快作