このレビューはネタバレを含みます▼
近未来における「記録され続ける人生」という発想を軸に、捜査と倫理の境界を鋭く突きつける意欲作
視覚・聴覚の追体験という設定は生々しい臨場感を生み、事件の真相に迫る過程そのものが読み手の神経をじわじわと削ってくる
とりわけ分析官という職業の過酷さは、単なる職業ドラマに留まらず、人間が他者の“生”にどこまで踏み込めるのかという問いへと昇華されています
物語は連作的に広がりながら、技術の進化と犯罪のいたちごっこを描き、世界観に奥行きを与えているのも魅力?
やや説明を抑えた構成ゆえに余白も残るが、それがかえって不穏な未来像を読者に委ねる効果を生んでいる
読み終えたあと、便利さと引き換えに差し出すものの重さについて考えさせられる一冊