このレビューはネタバレを含みます▼
長野まゆみらしい繊細な筆致で、ひとつの家族史をたどっていく物語
クラフト作家として活動する姉妹を軸に、曖昧だった過去や出生の秘密が少しずつ輪郭を帯びていく過程が印象的
植物や食べ物などのモチーフが物語全体にやさしく散りばめられ、独特の情緒を生み出しています
一方で登場人物が多く、血縁関係も入り組んでいるため、整理しながら読む必要があり‥
筋書きを追う面白さよりも、人と人とのつながりや記憶の重なりを味わう作品
どこか夢のなかを歩くような読後感が残る、余韻豊かな家族小説