ネタバレ・感想ありふつうの家族のレビュー

(3.0) 1件
(5)
0件
(4)
0件
(3)
1件
(2)
0件
(1)
0件
ふつうとは何かという問い
ネタバレ
2026年4月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「謎の来訪者」といういかにも事件の匂いを漂わせる導入でありながら、本作の核心はあくまで“家庭の内部”にある
サスペンスの皮をまとわせつつ、実際にはごく私的で、しかし普遍的な揺らぎ――家族それぞれが抱える言えなさ――を丁寧にすくい上げていく

語られる秘密は劇的というより、むしろ日常の延長線にある小さな歪みであり、それゆえに足元にじわりと迫る現実味を帯びる
起伏の穏やかさに肩透かしを覚えるかもしれないが、その分、人物の内面に寄り添う筆致には確かな厚みがあります
終盤の収束はやや整いすぎの感も否めないものの、「ふつう」とは何かという問いを柔らかく、しかし確実に突きつけてくる

派手さではなく、静かな共感と余韻で読ませる一作
いいね
0件
レビューをシェアしよう!
作家名: 辻堂ゆめ
出版社: 講談社