このレビューはネタバレを含みます▼
一見ミステリアスな導入ですが、物語はやがて人と人との結びつきの繊細な揺らぎへと静かに焦点を移していく
立場も環境もかけ離れた者同士が交わす時間は、どこか危うく、それでいて温もりを宿しているのが印象的
とりわけ、長い歳月を経て再び交差する関係性には、単なる再会以上の意味が滲む‥
登場人物たちの選択や沈黙には容易に割り切れない感情が折り重なる
明確な答えを提示するというよりも、「境界」とは何かを問い返してくる一冊
読み終えたあと、自分の中の思い込みにそっと揺さぶりをかけてくる余韻が心地よい