このレビューはネタバレを含みます▼
30年前の誘拐事件を追う取材が、やがて一人ひとりの人生に積み重なった時間や選択を鮮やかに映し出していく
謎を解き明かす面白さだけでなく、家族とは何か、人を育てるとはどういうことかという普遍的な問いが胸に深く残る一冊
写実画という題材も物語に豊かな奥行きを与え、登場人物たちの想いをより印象深く浮かび上がらせている
終盤ですべてが一本の線につながる構成は見事で、読後には切なさと温もりが穏やかに心を満たしてくれます
長編ならではの密度を存分に味わえる、上質な人間ドラマとミステリーが融合した傑作