ネタバレ・感想ありなのはな 新装版のレビュー

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萩尾望都と、彼女の描く「核」
2024年5月12日
6編・197頁の連作集、テーマは核。繰り返される事故、人類にかけられた呪いなのかも知れないと感じさせられる一冊。
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世界中の人に読んでほしい
2022年7月15日
私が知らないだけで福島や核廃棄物をテーマに音楽や作品を発表したクリエイターはいるんだと思います。それでもこの萩尾望都という作家の発想は唯一無二なんじゃないでしょうか。表題作「なのはな」は福島とチェルノブイリを重ねてそこにいる人々の失った暮らしを、家族を思い、小さな希望を示している。今、チェルノブイリのあるウクライナの現状を萩尾先生はとても胸を痛めていることでしょう。「プルート夫人」「雨の夜ーウラノス伯爵」「サロメ20××」3作ともプルトニウム、ウランを擬人化し人間が魅了され振り回される様子を見事に描いている。「幻想・銀河鉄道の夜」「なのはな」の主人公ナホちゃんが大好きなばあちゃんと本当にお別れする夢のお話。宮沢賢治の作品にからめて胸がいっぱいになるシーンがあります。「福島ドライブ」はごく普通の暮らし、人生があっという間に波にのまれる表現が衝撃的です。私は書籍で持っているのですが電子で読む場合は見開きで読むことをお勧めします。
なるほど
2024年7月31日
原発問題をめぐる物語。原発で生活がガラリと変わってしまった子供達の姿をうまく描いている。感情の表現が見事。
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表題作がイチオシ
ネタバレ
2023年7月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 3.11を題材にした短編集です。表題作「なのはな」とその続編の「銀河鉄道の夜」は、失ったものと、その再生への希望について、感性に訴えかけてくる素晴らしい作品でした。私は、萩尾望都さんのこういう物語作りに天才性を感じます。
一方、ウラン、プルトニウムについて描かれた3作「プルート夫人」「雨の夜」「サロメ 20××」は、作者の表現力の素晴らしさは堪能できましたが、やや説明臭が強い感じでした(教材として考えるなら、すごすぎる作品ですが)。
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震災後
2016年12月19日
震災直後の作品。『プルート婦人』は、ネームがかなり早かったとのことです。擬人化するのが上手い。故郷に帰る希望が持てますようにと土壌汚染を除去出来るという菜の花。『福島ドライヴ』の、セリフなしの斬新な作風。バリエーションのある作品集。
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作家名: 萩尾望都
出版社: 小学館
雑誌: フラワーズ