すごい、歌川国芳の浮世絵から飛び出してきたかのような猫たち!それがこの作品に出会ったときの第一印象です。
前述の通り、このお話の登場人物は全て猫(例外もいる)。擬人化…と言っていいのか…。猫そのものが着物を来て二本脚で歩き、人間同様の生活をしているという。まさに国芳の世界観そのもの。
舞台は江戸時代。“愛すべきろくでなし”の弥源治、そして仕方なしに(?)彼を養う魚売りの清二。長屋で同居する二人(二匹)の青年猫が主役の人情物語。
猫+時代劇という大好き要素!江戸時代の町人の活気ある日常が、人間から猫にそのまま置き換えられた感じです。
猫だけどみんな表情豊か、顔立ちも一人一人ちゃんと違う。私は清二が好きです。ちょっと目が鋭いべらんめえ口調の青年猫、可愛いぞ…。
人間の姿にケモ耳が生えたタイプの擬人化はよく目にしますが、猫そのものの姿のBL作品というのは初めて。というかBL作品にカテゴライズされてはいますが、ほんのりブロマンス風に留まります。それがまた物語の優しい世界観に合っている。
江戸っ子猫たちが送る、のんびり穏やかな時代物。彼らが話す江戸弁も心地良く染み入り、すごく私好みのお話でした。
あぁ続きを読みたい…!と思いましたが、作者様は2020年にご逝去されているのですね、残念でなりません…。心よりご冥福をお祈りいたします。