この手の漫画にありがちな『共感』は皆無です。
一応「「値段優先で顧客軽視、品質軽視」といった外食事情への(ありがちな、とってつけたような)警鐘を謳っているのかなぁなどと好意的な解釈もしてみましたが、全てが浅薄で独りよがり、はては私情混じりとしか思えない回まであって呆れ果てました。
無駄にボリュームがある分、読み進めるのが苦痛になってくるほどです。
あとリアリティラインが曖昧で、読んでいる側は退屈もしますが混乱もします。今起こっていることは主人公の妄想や逃避なのか、超現実的なことが起きているのか…そのあたりのブレッブレな視点と態度もこの作品の質の低さに拍車をかけています。
まずをもってその主人公が酷い。小市民的な観点からの感想や考察をするかと思いきや、無知でありながら高慢、無駄に肥大化した自尊心と攻撃性を有しており、それを妄想なのか超現実的な力なのかわかりませんが一方的押し付けて溜飲を下げようとする態度はまさに「老害」そのもの。こんな奴に感情移入出来るわけがありません。
「敵役」とされている連中も、とってつけたような悪役でこれまたひどい。ただのサンドバッグでしかなく、なんらカタルシスがありません。
この「読者にカタルシスを与える」というのが、この漫画のテーマであるのでしょうが、全てが浅薄で醜悪な内容だけに、読者としてはカタルシスを得ることもなければ、ただ【小汚いおっさんが毎度不味い飯を食いキレ散らかす】だけの不快な小話の連続と成り果てています。とにかく酷い作品ですので、正直あまりおすすめはしません…