シリーズ3作品を読み終えたが、この作品が1番面白かった。「恋は竜巻のようなもの」との言葉を共通項においての展開が、何かしらの突破口になるのかと思っていたのだけれど、そのことを色濃く作中に意味ありげに書かれていたのは1作目のみだった(たいした波及は無かったが)大好きな記憶喪失モノだから読んだのだけれどシリーズの3作目とは知らなかった。偶然が重なって小島に一人ぼっちのヒロインの孤独さだけでなく、善人か悪人か、遊びに来たのか寄り道か はたまた逃亡か暗闇しか思考に無い様の辛さが私も痛かった。おまけに、助けてくれた人には嫌悪の目で見られ迷惑そうなそぶりを見せられては居た堪れないのはその通りでどうすれば良いのか思考も止まるだろう。その状況と両親を亡くしたA・Jとを比較としてあって、ヒーローに熟考させる作りも良く出来ている印象。時間と共に分かりあいそのままストレートにハピエンにとはならず、ひと悶着加えているのも意外性があった。