レビューで散々貶されているのを読んだ上で気になったので読んでみました。今後の展開が分かっていたからか、そこまで不快感はありませんでした。
ネタバレ知らずに読み進めると、そんな展開いっちゃうの?!と少しショックを受けるかもしれません。
1巻目が少女マンガらしいキュンキュンさせてくれる終わり方だったので、これで終わりでも良かったのでは…と少し思いましたが、なんだかんだ最後まで読むと、彼らの苦しみもがきながらも一生懸命恋愛する姿を見守ることができて良かったです。
なんで?好きならずっと付き合ってればいいのに何やってるの?と思うことが沢山ありました。ですがそれは漫画だから言えることで、実際に現実だと不安や寂しさ、好きだからこそ側にいるのが辛いと思ってつい手放してしまうことがあると思います。なのでこれは本当にリアルな高校生の恋愛を描かれた漫画だと思いました。
若さゆえに、好きだからこそ、たくさん間違ってしまうし、何が正解かも分からない。だけど好きで、好きでどうしていいか分からない。そんな彼らの苦悩がよく伝わってきて、所々、読んでいて涙が出てきました。
誰が悪い、と言いだしたらキリがないです。琴音の事は怖すぎてずっと嫌いでしたが、彼女も幼少期の環境から歪んでしまって、まともな恋の仕方なんて分からなかったんだろうなと思うと可哀想になります。彼女のせいで散々引っ掻き回されたけど、彼女の立場も理解できると嫌いにはなれません。
「運命は作るもの」と、大事なところでは積極性のあるセリフを吐いてくれる佐々本も、自分で作った運命を途中で手放すからヒヨリが苦しむことになったよね…と思っちゃいますし。
ヒヨリの苦しい心の隙間に入り込んだ水野も、最終的には不安に駆られてヒヨリを傷付けたし、水野にそんな態度を取らせてしまう結果を招いたのもヒヨリ自身だと思いました。
もっと彼が男らしかったら、彼女がいい女だったなら…未来はもっと違ったかもしれない。そう思うことが沢山ありました。
でも、沢山間違ってしまったけど、「今」頑張っている彼らは人間らしさや高校生らしさが溢れててとても良かったです。
それぞれのキャラが立っていて、続きの気になる面白い漫画だったと個人的には満足です。
ただ、8巻目は絵柄も変わりすぎで唐突に大学生の彼らから始まるので温度差に付いていけず、時間を空けてから読むことにしました。