私は子どもにキッチリ寄り添える男性は最高だと思っているし、頼まれなくても自ら子どもにとって必要なことを案じてやれる男性は、人としても最大級の思いやりの持ち主と思う。
血の繋がりのない恋敵の子と全力で付き合い、遊ぶことや守ることだけでなく、世話をしていることを恩着せがましく偉ぶらない、コナーはヒロインが絶対手放してはいけない人と思う。一作目の彼はそんな本当に頼りになる、まるで絵に描いたような父親に収まることの出来る、究極の理想。
なのにヒロイン、いくら自分が深入りしないような予防線のつもりでも、それとなくコナーの好意に気づいていながらなので、結構形キツイ。自分が期待しちゃいけない、というのも控えめな態度としては好感度あるけれども、二人の間に漂う親密な感じは、当事者なら、そこを敢えて突っぱねる物言いはどうかと。
学生時代からずっと好きな人、という設定は私の好きな話。そうなんだよね、やっぱり気持ちは簡単には断ち切れないよね、と思うから、グイ感でいい所に立つコナーには、頑張ってるなぁと感心。
キス多いのは歓迎。
二作目のほうはストーリーの面白さで引っ張るところが、一作目の探り合いのような互いの心理描写中心路線より舞台の広がりが出ている。どちらがいいというのではない。一作目はしかし家の中にトラブルが入り込んでくる怖さ、二作目は家の外にあるトラブルに飛び込む怖さ。二作目はヒロインの心の見せ方も凄く上手。企みもコミカル。二作目の方はテンポがいい。
泣いたりいろいろなことをしたりする子どもの身の回りを、一生懸命パパをやろうとするジェイクには私はこれ以上いい父親は居ないと、娘の父親に欲しかったわ、と思った位。
また、ヒロインの娘サバンナちゃんへの愛、胸が熱くなった。立体感ある可愛いらしさ。手放したくない気持ちが良くわかる。
どちらも、十二分の父親適格性はもちろんのこと、男性として魅力的なのが良い。こういう男性としても父親としても素晴らしい男性と大金星的ハッピーを見せつけられると、ヒロイン達、なんだかんだ男運は最強で羨ましい。
セットになっていて思うのは、二作目の方に、あと数頁、彼のやり残し仕事のことや二人の気持ちの相互確認場面があっても、と思った。
人物の絵がごくたま粗く見えるのが玉に傷という気がする。(特に49頁)
二作とも邦題にシンデレラ必要か?
絵がバタ臭くてHQぽくて好き。