なんとも不可思議な物語。表面上はジュリエットは事故死。けれど、中盤でペイジに託された遺言の内容は自死。それもジュリエットが若いうちに絶命するという前提の物。なのに読んだペイジはそれに気づいてはいない。ものすごい違和感だ。おまけに結婚生活についてをペイジはジュリエットから聞かされていたにもかかわらず、マークに「ジュリエットは幸せだった?」と尋ねている。少なくとも二人の結婚はそういう物だったからなのだろうが、この遺言の内容のせいで読者の私は混乱してきた。ジュリエットの死後2年という期限がマークとペイジを再会させるタイミングとジュリエットは考えていたという事なのに、物語はどんどんと反れていく。最終段階になってもう一通のジュリエットからの手紙がペイジに渡された。それには、マークとペイジの結婚について祝福が書かれていた。これを読んでも尚ジュリエットは不慮の事故死という覆されない現実がいら立ちを頂点にした。登場人物については魅力的に書かれていてよいのだが、事故死という設定ならば筋立てが悪すぎるし説明文やセリフがかみ合っていないことになる。