ラストがどうの伏線がどうの言ってるレビューが多いけど、最後まで筋が通っていて矛盾も無く、きちんと綺麗に終わります。理不尽に与えられた恨みってのは大抵理不尽に晴らされるものです。例えば、会社の上司から理不尽に怒鳴られたり責任なすりつけられたりした時、その上司に直接やり返すでしょうか?一部を除いて大抵の人は違いますよね。理性が続くうちは我慢して、できなくなると関係ない他人や物に八つ当たりするはずです。旦那や妻、子供に当たる人もいれば、コンビニ店員や居酒屋のアルバイトスタッフに当たる人もいるし、腹立って壁に穴開ける人もいる。そう考えると、カコの恨みの相手、復讐内容、ラストに明かされたカコの動機と目的、それら全てに納得できるはずです。人の心の見たくないところ、目を背けたいところ、そういう醜いところをど真ん中ストレートに描写しているのが本作品。故に、そこから目を背けてしまうと、この作品の良さも分からなくなります。本当に、読む人を選ぶ作品だなぁと思いました。こんなにすごい作品は初めて読みました。