身近な人に相次いで先立たれたヒロイン。彼女の名はクリスタル・ウェバー(クリス)。この名が話の中で二度意味を持つことに。ミセスウェバーとしてと、名前と顔の知られた者としての。しかし彼は当初は気づけなかった。彼もまたそんな立場の人。
辛い日々の中、心配した親友は、自分の兄の家に誘う。その兄のサムは温かく歓迎してくれた訳ではない。寧ろクリスは冒頭から拒絶されたかのように、未だ受け入れ難い死というものを、まるで鼻先でつっつかれたかの景色を見せつけられて。
次第に相手に惹かれあう定石展開。
安定の麻生先生、職業的に成功してもキレかわのクリス、一旦壁が取れると急速に優しい所を出してくるサム、二人の低空から浮上を始める関係の盛り上がり半ばにして転機が。親友が合流し、閉ざされたような二人の世界が、外と接触を持つことにより明らかになる互いのキャリア。
サムも身近な人の死をずっと引きずっていた。
静かにしている彼を、有名人の自分が傷つけたらイヤだと。
二人のことを誰よりもよく知るクリスの親友にしてサムの妹だからこそ今回の引き合わせが出来たし、情報も確実。
甘い話の構造だが、結構二人の状況がシビアなので、無邪気に甘くなれなかったが、二人の間に流れていたものは互いに認識しあっていた。
という訳で、決着は分別もあり、酸いも甘いも見てきた男女の、大人の結論と思うが、評価は高くないようだ。
3.75と4.0の間は行くと感じるが?
タイトルが全く不可解なものここにも。
原題の直訳の方が良いのでは?
少なくとも、中身に適合している。