三種三様楽しめると思う。単品で読んで私は三度目のーを5、消せないーを4、噂のーも4、単純平均で4だがこのパックはハイレベルを集めていて安いので5でもいいかな、という気がする。三度目ーが最も好きなのは、過去の痛手を補って余りある出会いと経過で、出来すぎの彼だから。ヒロインの不満みたいなものも、そりゃそうだけど・・とそこまでガツンと無い。むしろかわいい。
消せないーは、復讐もの特有のそのタネがかつてあるわけだけれど、それ自体彼が許せないのも充分判る、というのと、ヒロインへ復讐しても結局本当の復讐にはならない、というのと、で読んでいると、空にあ~っと、言いたくはなる。愛と憎しみ、この話では裏返しというより、憎める相手ではなかった難しさが、話としてはより着地の難しいところを敢えて走ったなという感じ。
噂のーは、世間でもよく若くて派手なお姉さんが思いきり老人と結婚とかしていて、なんだあれ、と、眉をしかめる人が多かろう男女の組合せへの、彼の横(?)恋慕。当人が何を言おうと、または、端が何を考えようと、結局は、そういう関係は、真実は何なのか、ミステリーになるのかロマンスになるのか、ヒューマン(?)ドラマなのか、真実自体が重要なのだと、それ以外は好奇心でしかないな、とは思う。
ラブラブ度は、三作品どれも別ベクトルで低くなく、だから、彼を悩ませる、という意味では、三度目ーは比較的カンタンで、外二作品が、その悶々を、楽しむという位置付けになるかもしれない。