少女漫画としては、キャラクターが魅力的だしキュン要素や切ない部分も沢山あって、2人の恋愛を応援したくなる素敵な作品だと思いました。
ただ、タイムリープモノとしては、消化不良というかそもそも深く練られていない、全体的にふわっとしたまま結局ご都合主義で終わった印象なのが少し残念でした。
そもそも2巻完結というのがやはり、詰め込みすぎ。
もっと巻数増やせば話を拡げて人気出たであろうシナリオなのに残念です。2巻分の連載枠しか貰えなかったのならどうしようもないですが…。
この物語で主人公の心を占めるのはほぼ1回目の要との思い出。しかしそれは、作中で主人公が思い出した時に、順不同で断片的に見られるだけなのも物足りなかったです。
いっそ1巻丸々タイムリープ前の普通の入学〜卒業までのエピソードに使って、普通の可愛い少女漫画?じゃあこのタイトルはなんだろう?と読者に思わせておいて、ラストで要が死ぬという衝撃のバッドエンドからの、2巻にてタイムリープ編突入とかしてくれたら、物語が分かりやすく感情移入しやすくて良かったのになと思いました。
タイムリープについてはツッコミ出すと気になる所だらけです。世の中不幸な事故は後を絶たないのに、なぜ主人公だけがやり直す機会を得られたのだろうとそもそも疑問ですし。
散々未来は簡単には変えられないと言われ悩んでいた主人公だけど、結局の所は何か大きなアクションを起こしたわけでもなく、「奇跡」や「愛の力」で片付けられてしまうような形で物語はハッピーエンドに収束しているのも、スッキリできず残念でした。
ただ最初にも言いましたが普通の少女漫画としては、キャラクターが良くて人にオススメもしたくなる良い作品です。
主人公は常に一生懸命葛藤しながらも、要くんが好きで頑張っていて好感が持てるし、最後自分なりの答えを見つけて前向きになれたのも良かったです。
ヒーローの要くんも、まさにヒーローな性格をしていて、困っている人をほっとけないような優しい性格をしているのに、不器用で、助けた相手にすら怖い人って誤解されちゃうような人でした。
そんな彼のことを主人公だけが理解しているのもまたぐっときました。本当、2人でいつまでも幸せでいてほしいと思えるベストカップルです。
その後の2人をもっと見たかったです。卒業までにどんな風に過ごしたのかも描写が無さすぎでした。