元は木原音瀬先生の原作小説。作品の挿絵されていた大竹とも先生がそのまま担当しコミック化。
ノンケ同士の不器用な恋を木原音瀬ワールドを壊すことなく見事に描かれています。大竹とも先生の淡々としながらも丁寧な画力と表現力が今作では遺憾なく発揮されている。
木原音瀬作品としては比較的穏やか系なストーリー展開。しかし、登場人物のキャラ設定はやはりガッツリ木原音瀬節が効いてますね。
とは言え、今作の主人公(受)のキャラは珍しく健全でまともな性格で意外でした。
ウエディングプランナーの朝霞(受)は初めて担当したカップルの式に大失敗をしてしまったが新郎、笹川(攻)の優しさに救われた。1年後偶然に笹川と再会したのをキッカケに笹川の人柄に居心地の良さを感じ親交を深める。朝霞は笹川の夫婦関係を自分の理想の夫婦像として美化していた。
だが、ある時その理想の夫婦が実は偽装結婚で、嫁は許されない恋人と当初から同棲しており一緒に住んですらなかった。
優しく一途で不器用な男を放って置けなくなり、今まで以上に友人として親交を深めるうちにいつしか朝霞は笹川が自分自身の心の拠り所になっている事に気が付き始めた…。
【独断と偏見評:1(糞)〜10(超絶良)】
①作画→ 7
淡白だけと丁寧でバランスが整っている。仕草や動きに不自然さがない。
②構図・コマ割→ 7
デッサンや美大経歴がある作家さんの構図の様な華やかで目を引くシーンはないのだが、淡々と描くこの作家さんには漫画家としてのプロフェッショナルをとても感じる。
③設定(世界観・キャラ)/構成(粗筋)→ 8
これは、もう木原音瀬ワールドですから。
④展開→ 7
木原音瀬ワールドにしてはほのぼのだな。
⑤演出/描写→ 6
木原音瀬ワールドに忠実に描いているのだろうが、恐らく元々大竹ともという作家さんが派手で大袈裟なストーリーの拡がりをあまり好まないのではないかと思う。
⑥エロ→ 2
オブラート以下の薄さ…。確かに木原音瀬作品はあまりエロが濃くはないが。不完全燃焼で若干イラッ。