結局全てがボタンの盛大な掛け違いだったというオチは、かなりの割合の人が肩透かしあるいは期待外れといった印象を受けると思われる。
ハッピーエンドにするのは良いと思うのだが、相応に整合性をとってもらわないと納得が付いてこない。そうしたいがために無理やり終盤の種明かしからの展開を構築した感が透けて見えてしまうのが難点。序盤から中盤の登場人物たちの抱える問題とか闇を感じさせる描写や伏線は一体全体何だったのか感がものすごいのである。
物語は何でもまるっと全部幸せな結末に持っていくのが面白いわけではない、ということがよくわかる好例。逆に言えば、後味の悪い作品が苦手な場合は評価が上がるものと思う。