2020年春、本や書店の存在が一気に見直されることになった。各業界業績右肩下がりの中、一部書店では月間売り上げを前月比上昇させたところもあったそうだ。
私自身も3~6月までの間に通販・営業再開後の書店で毎月10冊以上コミック以外の雑誌・書籍を購入した。
街の本屋だけでなく大手チェーンも規模縮小や廃業を余儀なくされる中、作家さんご自身の書店勤務経験と今の小規模書店事情を丁寧に取材して「今」の書店事情がしっかりと反映された「戦う街の本屋さん」物語。
特に面白かったのが「取次」の話。自分も出版業界に身を置いているが、まさかあのような小規模取次があるのは知らなかった。
作家が「重版出来!」を喜ぶために、何よりも「読者」の存在が必要不可欠だ。
その「読者」が一番最初にアクセスするほんとの出会いを提供する場所「書店」。
書店がどうやって読者に本を届ける努力をしているのか、すこし想像して近所の本屋で買い物したくなる。
(という感想を電子書籍に書いてしまうのはどうなんだろうかという思いも当然ある)
連載前に同作者が描かれた読み切り版もnoteで公開されており、そちらも閉店する書店の切なさとそれでも「本屋」が好きである気持ちが表現された良いマンガなのでぜひ読んでほしい。