ネタバレ・感想ありまんがグリム童話 妖 八犬伝(分冊版)のレビュー

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原点回帰--男でもあり女でもあること
2021年10月31日
(全15巻/各巻150pt/1-5巻は読み放題あり)

幼稚園に通い始めてすぐ、私は同い年の女の子達と「なにか違う」と互いに感じあっていることに気づいた。ままごとや人形遊び、男の子の噂話に全く乗ってこない私は彼女達にとって変人でしかないようで、たちまち女の子の遊びの輪に誘われなくなったが私は私でホッとしていた。ただ、感じた “違い” は一体何だろうと思っていた。
その正体の片鱗に触れたのは小学校に上がったとき。NHKの連続人形劇「新八犬伝」が始まり、2年間、毎日夢中で物語を追い、自分の中で反芻し再現した。
こうも惹かれた理由に、辻村ジュサブロー氏の作る人形たちの表現力の豊かさ、曲亭馬琴による原作や人形劇自体の面白さがあるのは言うまでもない。だが最大の理由は2人の登場人物--犬塚信乃と犬坂毛野--への限りない愛着、自分の中の “違和感”の根源に響く何かを彼らの存在に感じ取り共鳴していた故だと思う。
いまその “何か” を端的に表現するなら、2つの性/生を同時に生きる者の存在とその悲しみ、と言うだろう。

原作『南総里見八犬伝』で信乃と毛野は生き延びるためにそれぞれ女児として育てられる。
男でもあり女でもある2人。その“両義的” 存在は私の中にもある矛盾や違和感、“どちらか一方だけでは引き裂かれる自我” を慰めてくれる気がした。こうした感覚は多くの人が大なり小なり持っているものだと今なら知っているし、適切な表現を以前は誰も持っていなかっただけとも思う。それでも、 “違い”が生む “疎外” は自分自身や他者との折り合いを難しくし続けた。
本作品における信乃は原作とは逆に“男として育てられた女性” として描かれ、生きるため男と交わり精気を取り込まねばならない呪いと葛藤に苦悶する。一方の毛野も身内に棲む魔と戦い、男でありながらその美貌と体で男達を陥落し本懐を遂げようとする。
この2人の両義性が孕む悲劇性が、かつて人形劇に私が感じたままの美しさと哀しさをもって表現されていることに感動する。

何を読んでもどこかで “これじゃない…これが読みたかったわけじゃない”と長らく感じていた。本当に読みたい本に出会うため原点に還ろうと思い立ち、さて私の原点はと考えた時に人形劇を思い出し、ひと月前にこの作品を見つけて読んだ。あぁこれだ、ずっとこの物語に帰ってきたかった…!
アレンジ
2022年9月21日
南総里見八犬伝のアレンジ版です。
絵柄や官能的な部分を含めて、私にはあまり魅力的な作品にはうつりませんでした。
ヨミホにて
2022年3月28日
5巻まで読んで。絵は綺麗で良かったのですが、お話にはあまり魅力を感じられず、続きを購入してまでとは思えなかったです…。
読みにくいと感じた作品
ネタバレ
2022年3月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 第3話まで読みました。台詞の文字数が多いからなのか、絵の雰囲気の問題なのか、私には正直言って読みにくいと感じた作品でした。ただ、集中する必要があるのですが、段々と慣れて読めるようになったので、途中で挫折はしていません。主人公の性別に関しては、第1話のエピソードを読んだらわかりました。主人公だけでなく額蔵にも秘密があって、驚きました。どんなストーリーだか何となくわかっても、続きが気になるとは思いませんでした。
信乃どうする?
2022年3月14日
古典の名作・南総里見八剣伝をモチーフにした官能的漫画作品と言えます。本意でなくとも義務として数多くの異性と戯れなければならなくなったヒロイン・信乃は生き延びるために、果たしてどのように男性と関係を築いていくことになるのか、先が気になります。
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すこし…
2018年8月29日
やっぱり創作だと分かってるけど、南総里見八犬伝読んだことあるから、違和感がすごい…話の内容変えすぎじゃないですか…
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