ネタバレ・感想あり冬・春・あなたのレビュー

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自由は当たり前ではなく、取りに行く、と。
2021年5月16日
好き過ぎて遠隔地在住時は、二度と読めないのかと悲観していた。後年書店で表題作入ったアンソロジーを見つけ買った。再びの環境変化で本書が読める状態となり喜んでいる。別マ本誌掲載時に初めて読んで以来、この作品はお気に入りで、単独評価したら5以上。
同時収録「マジパンデート」も本誌でも読んだ記憶が強く残っているが、当時はお洒落なイメージだけでフワッと眺めたのか、細部に目が行ってなかった。今読むと、マジパンデートと志方くんとの繋がり希薄で、蝶子の独りよがりに感じなくもない。大学生設定で「心理学」の出欠場面が出てくるが、どうも美大か日芸の特殊な学校感一杯。

「学生会議の森」、ハッピーな終わり方でない。学生運動郷愁的な「いちご白書をもう一度」の歌が流行り、そのお陰で、学生運動渦中におらずしてモロ被りの学生生活を過ごすストーリーの映画「いちご白書」を観た世代としては、心のどこかに残るものがある。あれだめこれだめの一方的な社会や権威からの強制、横暴、「管理」体制を嫌悪、自分達の自由のもぎ取りに行動した世代へのオマージュというべきか。今我々は当たり前に自由を享受する環境にいるけれど、男の子と付き合う自由もない状況を漫画にしてみせて、彼の自爆的行動を通じ、心の解放やレジスタンスを問い掛ける趣向か。
「恋愛の」自由をもがれた、という設定を借りて、自由の意味を感じさせる話。漫画は60~80年代、今のようにクールジャパンだなんて好意的に大人にサポートされなかった。寧ろ、青少年の健全な発達を阻害するもの、馬鹿を増やす幼稚なもの、文字が偉く画が見下され、漫画やアニメは文化の下位待遇、大人の不健全さを脇に置かれて、漫画表現の奥深さは認めて貰えてなかった。そんな時代だから、「表現の自由」にも間接的に刺さるこの作品は、単なる反抗や反逆以上の意義を感じてしまう。
「出雲のミコトストーリー」、かわいい話。ヘタレ君は嫌われる勝ち、今の漫画読み層の己れの理想に拘るご時世には受け入れられないか。軟弱に見えても、やるときはやる、出なければならないときは勇気を奮って出ていく、そのこと自体が、自分の中の女の子に訴えかけてくる、そんな作品なのだが。
5作目「ほんの少し好きになること」(1973)は絵的にも筋的にも飛躍を感じ、合わない部分が多い。これ以外は1977年作品。

「スターライト」読了後5星へ。4星でいいねしてくれた方、許して!
冬春あなた
2018年2月10日
何度も何度も読み返した大好きな作品です。くらもちふさこ先生の原点。いや、現在の少女漫画界の原点ともいって過言でありません。誰もが通る思春期の悩みや葛藤を代弁してくれていて当時どれだけ癒されたことか。くらもちふさこ先生ありがとうございます。
初期の
2020年4月26日
くらもちふさこ先生の作品が読めて嬉しい。昔は時代もありシリアス調もあるけど、
どんどん素敵になっていく。
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