もしかしたら、ヒトゴトじゃない??と思いながら詠んでみました。ちがったけどね。
本書が、極限まで簡略化された線で構成された漫画だから1冊読めたけど、これがビジュアル系な画だったら、前半でギブアップしたかも。なんでかっていうと、自虐的な漫画はいっぱいあるけど、この漫画に救いがないから。一般的な夫婦の望みで、目標でもある「なかよし」「夫婦善哉」が実現しているにもかかわらず、これらがレスの原因である限りこの夫婦に救いが無いからだ。底なしのスパイラルループにも多少の救いがあるけれど、この夫婦に救いが無いだけで無く、あろうことか、リアルなのだ。つまり読者にも救いなし。
夫婦の悩みは人それぞれ。仲良しだからこそ、初子の妊娠限界(36歳)みたいに、もうじき枯れてしまうと思われる年代だからこそ悩む切迫感があるんですよね。気持ち、よくわかりますよ…と思えるのは。自分がそれさえも、その段階さえも通り過ぎた年代だからでしょう。自分は今年50代デビューしたんで、むしろ、そんな悩みを悩みとして認識できたのははまだ若かったからだなあ…ということで、自分と同年代かそれ以上のマダムなら純粋に楽しめるかもですね。食えない話よりは、食い過ぎる話の方が楽しいかも知れないと思った作品でした、社会的な疑問定義としては有効かもしれないですけどね。どちらにしても、表現力は認めるけど、楽しめるかどうかはその次なんだな。