タイトル通り異常な愛を妻に向ける歪んだ旦那のストーリーです。こんなタイトルを見て興味を抱ける方ならば読んで楽しめると思いますよ。
この作家さんはそんなにご都合主義にはならず、納得のいく展開を描いてくれると個人的には思っているので、最後まで読むつもりです。
しかし、意味もなく異常な愛を向けてくる空っぽなストーリーではないだけに、中身がある分かなり重いストーリーです。
旦那さんを本当の意味で理解してあげない限り平行線です。
彼の過去とか何も知らないまま、幸せになれると思って結婚してしまったんでしょうが…。
誰よりも愛に飢えている彼を、妻である主人公が突き放すから、より狂ったように追い求めてしまう彼はなんだか本当に哀れで可哀想です。
主人公を噛んだりとか痛いことはやめてあげてほしいですけど…。
でもこの状況は、主人公が彼の全てを受け止めて、本当の意味で愛してあげられていれば、彼の心は救われて互いに幸せな夫婦になれていたと思うんですよね。
結婚して「1度は神に愛を誓った男」といいつつ、主人公は彼を1度も理解しようとはしていないように見えます。
きっと主人公のこれまでの人生からは理解できない愛され方だったので仕方ないのだとは思いますが…。
恐怖しか感じることができずに日々耐え、ある日舞い込んできた義弟に普通の優しさを向けられれば、あっさりと彼に身を委ねてしまう主人公に、仕方ない気もしつつ複雑な気持ちになりました。
そもそも旦那が怖いと思ってるなら家で不倫するなってツッコミたいですが…証拠思いっきり握られてますし。
一方的に憎んでいる弟を傷付けたくて引き取って、そのせいで弟と妻がデキてしまって更に傷付いている夫も、何やってんの…と思いますし。
もし、弟と妻がそんな関係にならないだろうと、少しでも信じていたのだとしたら、あっさりとその期待を裏切った妻である百利子はひどいなぁとも思います。
優しい義弟の秋良がどうしてこうも百利子に入れあげたのかはイマイチ分かりませんが、彼の周りも相当歪んでいてこの先が怖いです。
母に愛されなくて涙した冬樹と、母に愛されすぎて涙した秋良は互いに辛さが共有できれば理解しあえたと思うんです。
すれ違いでできた溝が取り返しのつかない所まで広がってしまっている…。
どうか彼ら全員に救いのある完結へと、上手く進んでほしいです。