「雨でも晴れでも」が気に入ったけど、終盤の駆け足展開等で食い足りなさが残ったので旧作相当のこちらを全巻通読。
この2作の関係はノベルゲームのルート違いみたいな感じで、基本設定と登場キャラはほぼ同じ・お話は冒頭80p辺りまでは大体同じだけどそれ以降は全然違う展開になるという流れ。
で、本作の感想ですが前半はコメディ描写が軒並み寒くてしんどい(後で読んだ同作者の「総合タワーリシチ」は普通に楽しめたので、崩し絵多用のドタバタギャグが本作のキャラやコンセプトと合ってないかセンスが劣化したのではという感じ)。後半は各キャラの過去のトラウマが妙に重くて違う意味でしんどく、コメディ部分との食い合わせも悪い。話運びの粗さも所々で目立ち、挙句の果てに物語の途中で打ち切りEND…となると本作単体ではお薦めしかねるなぁ。
【結論】「雨晴れ」が未読なら向こうを先に読みましょう。あっちは格段に読みやすくブラッシュアップされてるし一応完結までこぎつけてるので。
それで食い足りなければ補完としてこちらも読むのはアリだと思います(後半のシリアス展開は雨晴れと読み味が近く、あちらのアナザーエピソードとも解釈できる好編揃いだった)。
あと、「総合タワーリシチ」の新作短編を各巻1話ずつ収録。完全版の描き下ろしと近いノリなので、あっちが気に入った人ならこちらも楽しめるかと。