ネタバレ・感想あり真っ赤なストロークのレビュー

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簡単に勝たせる奇跡を起こさない骨太さ
2023年4月4日
1975年の作品らしい。
(追記:1975/11/2~11/30号週刊マーガレット連載5回)
テニス漫画の面白さは志賀先生が広めてくださったといって過言ではないだろう。
だが、作品の真骨頂はスポ根ではない。
日本中にテニスブームを巻き起こした大人気漫画「エースをねらえ!」でも触れていることだが、強くなるにはどうしたらいいか、が描かれる。

絵はテニスのレシーブのポーズなど大変サマになっていて、迫力がある。
世相も映していて全体のトーンはお嬢様の娯楽の世界とは違う。
しかし、見ている人は見ている、精一杯やっていれば花は開く、といったような隠れメッセージもこめられながら、鼻白む理屈っぽさもなく、ひとつの読み物として読みごたえがある。温かい人も世の中には居るんだよ、という救いが表されている。

同時収録作品「白い不死鳥」は、より制作年が古いようだが、発表年を調べられなかった。絵からするとデビュー年により近いと思われる(1969/1/10週刊マーガレット臨時増刊号初出と判明)(デビューは1967/8/24週刊マーガレット増刊号発表作品であることも判明)。
こちらはコマが更に当時の手法なので、現代の大ゴマに慣れた身には、戸惑いはあるものの、二作品タイトルが対照的なところ、同じテニス題材の取り合わせの妙はある。

本作より先行して4,5年くらい前に描かれ、実写化もされた「スマッシュをきめろ!」の強い印象が残るが、テニス漫画と来たらまず志賀先生という感じだ。
お得意のSF物と二枚ジャンルで大活躍されていた。
過去作品を読めて本当に嬉しい。
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