終末世界を旅する。設計者の元へ行く道すがら、生きた人々の痕跡を辿ったり、旅人や定住者との時間を過ごす。といっても中心地はインフラも普通に機能しているし秩序はあるし食料もある。
何が終末を招いた原因かはっきりと描かれていなかったが、そういった類のことに主眼は置かれていないと思う。
主人公の子はただのロボットとは概念の違う無機生命体でクオリアはあるから味覚も含め感情もあるよう。グルメものというより何より、どんな人達とどんな時間を過ごしながら食事をしたか。ロボットに近い彼女にむしろ命を教わるような印象を受けた。
悲しい現実もあり切なさもあるが、心に染み渡る優しい物語だと思う。