何もかもの事情を理解して身代わり結婚を受け入れても、愛しているアイアスが 愛してくれない現実に振り回されて泣くことの多い日々に 読んでいる私まで同調して苦しくなった。姉のせいだけれど、姉のおかげ。私ではアイアスを変えられない 支えられないのかと失望に暮れるだけでなく、マスコミという容赦のない第三者によっても傷つけられていく現実には、彼女に代わって苦情の一つも言いたくなってしまう。それでも、甘いものは至福の時というリアのアイデンティティは強く復活しそこにあった。何もかもを封印するために「計画」という枠から自分を追い出せないアイアスにとっては、心の求める「愛」を壊さぬために必死でその仮面をかぶり続けるしかないのも同情する。が、リアが勝ち取っていた強さには 彼には逃げるという事しか出来なかった現状を変えるきっかけとなってその姿を現していた。姉の物語の伏線がそこにあるが、その説得力は少々弱い。彼の怯えは、簡単に払拭できずそれでも、出来る事から始めるという二人三脚を決意していたのには、陽だまりのリア無くしてはあり得なかったとわかる。が、ここまでホルト家に尽力してきたのに、自分に自信が持てないとはどういうことか良く分からない。ヒーローはヒーローらしくあってほしい。克服具合に不満が残るのだ。