体が縮んでしまった男女が元の姿を取り戻すため、力を合わせて困難に立ち向かう物語。
7㎝というサイズ故に虫や猫などのあらゆる生物、日常的な現象でさえ脅威になるという斬新な恐怖があります。
「それらをどう乗り越えていくのか?」というちょっとした謎解き要素と、「黒幕は誰か?」というミステリー要素が冒険譚に厚みを与えており、読み応えは抜群です!
たまにふとした粗さがあったりはするものの、全10巻の中でストーリーはしっかりとまとまっていて、素晴らしい読後感が待っています。涙腺の弱い人は泣いてしまうかもしれません。
ストーリーを通して成長していく内気で優しい主人公「ヤマト」、残念なイケメンで変人だけどリーダーシップに優れた生物学者の「ロラン」など、魅力的なキャラが非常に多く、どんな些細な描写にも「そのキャラらしさ」があり、解釈厨にはたまりません。
台詞や表情から匂わせる心情や内面が本当に豊かで、一コマ一コマの中で生きたキャラクターを感じることができます。
巻を追うごとに絵も漫画も構成も神がかっていきますので、試し読みで少しでもおもしろいと興味を持たれた方はぜひ最後まで完走することをお勧めします。
虫の描写がリアルすぎるので苦手な方にはあまりごり押しできませんが、それでも読みたい!!読むぞ!!!と思えるくらい、自分はぐいぐい「3インチ」の世界に引き込まれました。
パニックホラーらしい気持ち悪さはもちろんのこと、でも決してそれだけではない物語としての面白さ。
そして笑いあり涙あり、トキメキあり萌えありのハラハラドキドキの全10巻です。