ネタバレ・感想あり危ないウエディングベルのレビュー

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連続殺人事件など終始ピンと張りつめる3話
2022年7月23日
殺人事件2つ、婚約を巡る話1つ。かつて読んだmimi誌に掲載作と知った。購読の頃から僅かに後ろにズレていて、万里村先生について知らなかった。
周囲が婚期辺りの女性に向ける当時の空気が見事に掬い取られ、主人公の女性の心理、思い当たるフシ多くて、逆に当時読んでいたらより生々しく受け取ってしまったかもしれない。
特に、親の考え方、お見合いや結婚情報サービスの有り様など、時代的にありふれて有ったような話、身近で聞いたような話も挟んできて、情景は我が事の様に迫る臨場感に否応無く包まれてしまう。

その中に、サスペンス劇場。
表題作は連続殺人事件だから、推理小説のような謎の手がかりが物語をくし刺しして、読み手のこちらの気を逸らせない。1巻目同時収録の「イヤリング」は殺人こそないが、ミステリー仕立てに思わせ振りな展開、主人公は、開眼し自立することになる。
2巻目同時収録のブレスレットがモチーフの一部となっている殺人事件は、篠原千絵先生作品を思わせる。

そつなく仕立て上がった、ミステリー選。
ちょっとマンネリで怠けそうくじけそう、自分がダメになっていくのでは、というような自分に、このまま陥りかねない日常に軽い刺激になった。

ストーリーで引っ張るタイプで、華やかさはないが、絵柄が尖っておらず整然と描写している感じ、目に無難なところが逆に、静かに動く犯人像を隠してくれたかも。

「危ないウエディングベル」昭和63年、125頁+125頁。
「イヤリング」昭和62年、66頁 第1巻収録。
「友情のアリバイ」昭和63年、59頁 第2巻収録。
隠れた名作!
2022年6月12日
万里村先生の作品で有名なのは坂井真紀主演でドラマにもなった『てっぺん』や漫画賞を取った『プライド』『白の条件』あたりですが、実はこの作品は、全2巻の短編ながら、謎解きも凝ってるし、恋愛模様もうまく絡んでて読後感爽快の良作です!
なんで紙本処分したんだろう・・
2019年4月22日
万里村センセの本は、『てっぺん』が有名ですが、私は『危ないウェディングベル』が一番好きだった!でも考えなしで処分して後悔…ミステリーとしても逸材です。興奮してレビューを書くとネタバレしそうだから押さえて書きますが、殺人事件ともうひとつの事件と平行しておきます。それをパソコンの入力しかしていない真澄が事件に巻き込まれていくという話です。ミステリーのネタバレは禁じ手だから細部まで書きませんし、作風が昭和の漫画そのものだから好みが別れますが、ミステリーコミックを読みたい方なら買って損しない本です!各巻に読み切りミステリーが掲載されてますがそちらも素晴らしい!何故筆を折られたのか。復帰してもらいたい!
私のミステリーのルーツ
2019年3月10日
黒い表紙にハマりました、私のミステリーのルーツ。懐かしさに一気読み中です。
全作品電子化希望!
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作家名: 万里村奈加
出版社: 講談社
雑誌: Kiss