田中メカ先生の描かれる絵は、丸みのあるラインに親近感を私は抱いてしまう。もの柔らかな二人のやり取りと縮まらない距離、穏やかなキャラなのに真剣なプロ意識、絶妙なその関係を楽しんでハラハラさせるストーリー展開を楽しむ。外見には似つかわしくない意思の固さがとてもいい配合で、見たところ優男のギャップ萌え。これが田中先生の描かれる男子には魅力になっている。
まだ2巻しか読んでいないのだが、6巻が面白いらしい(そういうレビューをされてるレビューアーさんが居た)にで、ポイントの残高を睨みながら、割引のチャンスを窺って辛抱強く待ちたい。
以下は読了後追記。
しきたりを破って、ひるまず自分達を鍛えていく。強くなることが、家の為というより自分たちの為に、互いを護りたい気持ちで。 しかし旧家ゆえの事件もある。身体を張っての仕事は危険と隣り合わせ、いつでも安全なところに居られる事はないのだが、栄の仕事の性質を作品に反映しておかねばならなかったからか、キツイ試練の時もやって来る。
しかしもう危険を遠ざけるために離れることは無い。
光希、百合香の立ちはだかり方は少し腰砕けで、二人の恋の妨害よりも、九護家に生まれたからこその他の家にない苦労の比重高い話。
そこには二人の育てた互いへの気持ちが揺らがないというベースあっての未来志向が。
そんなベース描写に必要な甘甘描写、元々田中先生の得意とするいちゃいちゃが可愛らしくふんだんに描かれている。サラリと栄の殺し文句がところどころ炸裂。
実際そんなことがあったらひとたまりもない事件一つ一つ、起きて過ぎて起きて過ぎてと、漫画ならではの扱いで、結果的にはあっさりと乗り越えて行く。
18歳は結婚可能な年齢、二人の関係のあり方は両人の気持ち確認後急速に進展するのが、前半の作り事的ままごと的アピールからの転換として、読んでるほうは、安心の気分も入ってくる。
周囲へのカモフラージュ目的に見せかけの関係を結ぶストーリーはお話の世界には大定番として沢山あるが、段々本当になっていく過程に、全体の巻数面からみてダレがない比率ので、緩やかに見えても次第にギアが入ってくみたいで楽しめる。