井上雄彦の新しいバスケ漫画!?しかも車椅子バスケ!?と書店で鼻息荒くレジへ走った20年以上前の私。16巻を紙で購入し1巻から読み返しています。やっぱり6巻のお父さんへの手紙は本当に辛く苦しく愛おしく、幼い高橋くんの「僕です」は何度読んでも胸を締め付けます。筆の遅さに批判も聞かれる井上先生ですが、やはりその技量は唯一無二だなぁと思わされます。ストーリーが素晴らしいのはもちろんですが、それを表現するために一体どれだけの試行錯誤を繰り返してこられたのだろうとため息しかありません。物理的、心理的な重さが絵から感じられるんです。登場人物一人ひとりがそこに生きていることを感じます。正直、バガボンドはもう既刊分だけで満足しようと自分に言い聞かせていますが、リアルだけは、どうか、どうか、最後をこの目で見ることができますように。