無料分のヒーローブレーズのこの言葉に惹かれて購入しました。これって、愛してくれと言っているのと同義。本人は気付いていませんが。事は、借金返済の目処が立たず、保険金を目当てにした火災による弟の焼死が齎したものでした。ブレーズは結婚していないと甥のフィリップの後見人になれない だからヒロインアンドレアの従妹クレアと婚約した。しかし当の本人クレアは酔っていて覚えていない だからアンドレアは、彼女の両親がくれた幸せな生活の恩を返すために身代わりを引き受けた。呪われているというシャトウ(なんでシャトーじゃないのかな)の天辺の曰くつきの部屋を子供部屋にするという企画を軸にして 人間模様が展開される。秘密はかなりある。その一つ一つをじっくり解いていくにはページ数が絶対的に足りないのは文字数を見ればわかるが、アンドレアの人間性の温かさ優しさで ブレーズの心を開かせていくことに重きを置き付随してフィリップも懐かせてしまうという展開にしている。これらは上手く出来ていてなかなか申し分は無い。アンドレアの伯父たちの「永遠に家族だ」「お腹にはハッピーがいっぱい詰まっているんだよ」という暖かな家族を彼女からブレーズに伝わっていくのに感動する。しかし、この物語のキーマンであるのはフィリップの叔母シモーヌ。彼女を登場させずにこの物語は成り立たないので登場しているが、作中うまく作用していない。おそらく原作では 彼女の働きはもっと多いはずである。彼女の抱えているものは このシャトウの本髄であり、ブレーズの正体をも握っている いわば ここにいるけれど 過去の亡霊なのだから。(生きています)それが伝わってしまうから残念だけれど、家族を作り上げていく物語はジンと胸に響きました。